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経営学研究者のノート:企業と社会の調和、ウェルビーイングを目指して

ゲイリー・レイサム 『ワーク・モチベーション』 第一章 1900-1925年のモチベーション研究 概要 書評 まとめ

Work Motivation

History, Theory, Research and Practice

Gary Latham 2007 by Sage

ワークーモティベーション
初版第一刷発行
著者   ゲイリー・レイサム
監訳者  金井壽宏訳者  依田卓巳
発行者  軸屋真司
発行所  NTT出版株式会社

 

第一章 生物学、行動、金銭

 

まず、本書で扱われる広範な問題の範囲についての説明が為される。モチベーションと欲求、情緒、認知の関係、管理者の役割、目標設定との関連などなど幅広い。

次に、心理学研究においてフロイトの無意識に関する議論が、計測できないものとして否定ないし排除されたことが示されている。その後、ワトソン、ソーンダイクによる行動主義の見方、直接観察でき社会的に共有できるものに着目し、刺激に対する反応(行動)、もしくは反応をもたらす刺激を解き明かすものとして行動主義の考え方が紹介される。その後、科学的管理が、有効かつ効率的な業務の遂行に対して報酬を提供し、それが満足をもたらすという考え方が示される。

加えて、組織におけるモチベーションについて心理学者は第4四半期、1975年頃まで関心を殆ど持っていなかったことが指摘される。さらに、モチベーションを解き明かす上で、フロイトの方法論によらない形で無意識の影響を検討すべきことが指摘されている。